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Modeling the Korean Chonsei Lease Contract

Ambrose, Brent W., and Sunwoong Kim (2003). "Modeling the Korean Consei Lease Contract." Real Estate Economics 31, 1: 53-74.

韓国独特の不動産賃貸契約方式である「チョンセ」をオプションモデルで分析した研究である。チョンセでは、賃借人が不動産を借りる際に物件価格の約4割~8割にあたる金額を預託金として支払い、代わりに毎月の賃料はない。賃貸人は受領した預託金を運用して収入とし、契約終了時に預託金を変換するというしくみである。

ここで問題となるのは、賃貸人が契約終了時にきちんと預託金を返還できるかどうかである。賃貸人がこの預託金をどのように使うかは自由であり、保全措置を講ずる義務もないため、実際には使ってしまうケースが少なくない。返還できない場合、韓国の法律では、賃借人は預託金が返還されるまで不動産の賃借を続けることができる。

本論文では、チョンセ契約の価値を複合オプションとしてモデリングしている。不動産の日々の利用料(仮想の)が確率的に変動する中で、チョンセ契約の価値はそれを契約期間にわたって積分した期待値となり、評価式が導かれる。賃貸人は、契約終了時点で、預託金を返還する代わりに不動産を「譲り渡す」権利(つまり不動産を預託金の額で売るプットオプション)初期時点における契約の価値は、返還時のチョンセの預託金の現在価値と、預託金を用意できた時点で不動産を「買い戻す」権利(つまり不動産を預託金の額で買うコールオプション)を同時にもっている。したがって、契約の価値は、返還すべき預託金の現在価値と、プットとコールの複合オプションの価値をあわせたものとなる。このモデルに従い、実際の契約データを使って実証分析が行われている。

韓国での不動産取引を経験した人から、チョンセの契約終了時には、次のテナントを見つけ、そこから得られる新たな預託金をもって前の賃借人への返還にあてることがしばしば行われると聞いたことがある。とすると、家主がよく金を返還できるかどうかは、そのときの不動産市況によることになるのだろう。このモデルでは特にこの点は考慮されていないが、特に問題はないのであろうか。深く考えたわけではないのだが、やや気になった。

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